龍馬、養子問題に悩む。 2015年2月6日

今日も現在開催中の「4代目 坂本直道」展の展示資料をご紹介します。
「文久3年8月19日付 川原塚茂太郎宛て 坂本龍馬書簡」。
ソフトバンク社長・孫正義様よりお借りして展示しています。

川原塚茂太郎は龍馬の兄・権平の妻の弟。
国事に奔走するため「40歳までは土佐に帰らずに頑張りたい」
と考えていた龍馬にとって、権平の跡継ぎ問題は気がかりでした。
そのため、養子を探して欲しいと相談する内容の手紙です。
脱藩をして土佐を離れても家族を想う龍馬の心の内が読みとれる手紙です。

この手紙と合わせてご覧いただきたいのが、
「慶応3年6月24日 坂本乙女宛て 坂本龍馬書簡」です。

慶応3年6月24日坂本乙女宛て坂本龍馬書簡

川原塚への依頼もあってか、坂本家は権平の娘・春猪の婿として
清次郎という養子を迎えます。
ところが、この清次郎が脱藩をして龍馬の元へやって来るのです。
手紙では龍馬の清次郎に対する”痛烈な批判”が繰り広げられています。

*「何にも考え方を持っていない人で、国のために命を捨てるのに苦労をしないというくらいのもの」
*「何か特技でもあれば良いが、これで酔狂でもしたら、お蔵のにわとり(卵も産めない、米蔵のそばに捨てられた鶏)のようなもの」
*「あと一、二年も苦労すれば、少しは役に立つようになるでしょうか。まあ今のところでは、どうにもしようの無い人ですわ。」

心に突き刺さるような批判の嵐は追伸にも続き、
姪の春猪にまで及びます。

*「春猪がかんざしを送ってくれと言ってきたが、夫(清次郎)が脱藩してきた時に、かんざしとは何たることだ。清次郎に小遣いでもやってくれとでも言うのが当たり前だ。養子が飛び出して気の毒なのは権平兄さんです。そのせいで酒を飲みすぎてしまったら長生きはできないでしょう。また次の養子も来ないだろう。慌てて出て来ずに龍馬が土佐へ帰るのを待てば、清次郎も都合良く出してやったのに、つまらん出方をするからいかん。季節外れの7月頃畑に生えた遅れ生えのキュウリのようなものです。同情する人も少ないでしょう。」

清次郎と春猪、夫婦そろって龍馬おじさんにこじゃんと怒られていますね。

他の手紙から伝わる龍馬の人物像は
小さな事に拘らないおおらかで優しい人といったイメージですが、
この手紙で見せる厳しさは全く別の人物のようです。
しかし、日本の行く末を本気で心配して、
土佐の坂本家を心の底から想っているからこそ
このような厳しい内容になってしまったのでしょう。

龍馬の人間らしさ、そして真剣さの伝わる手紙を
ぜひご覧いただきたいと思います。
皆様のご来館をお待ちしております。

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“龍馬”を生きた「4代目 坂本直道」展
・2015年1月17日(土)~3月31日(火)
・年中無休
・高校生以下無料、一般500円
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