右手の理由(わけ) 2005年12月17日

記念館の模様替えが行われて1ヶ月が過ぎた。現在の販売コーナーの真ん前には、ほぼ等身大のろう人形の坂本龍馬がいる。というわけで、販売担当の日は一日中龍馬と向かい合うことになる。龍馬にみつめられている気がして少し照れたり、にらまれている気がして怖くなったり・・・・・・、どこか遠くを見ている気がしてその視線の先を追ってみたりもする。

龍馬の立ち姿の写真をもとにつくられたこのろう人形、もちろん右手は懐(ふところ)に入れられている。龍馬に関心のある方も、そうでない方も、この“右手の理由(わけ)”には興味をもたれるようで、記念館で一番多く受ける質問が「龍馬は何で右手を懐に入れているんですか?」なのだ。私はいつも「いくつか説があって、ピストルをもっているとか、“万国公法”という国際法の本を持っているとか、寺田屋で幕府の役人に襲われたときに負った傷を隠しているという説がありますが、本当のところは龍馬に聞いてみないと分からないんですよ」と答えるのだが、ここ販売コーナーには、お客様の会話の中から、さまざまな“右手の理由”が聞こえてくる。

ある若いバスガイドさんは「当時はこのポーズが流行ってたんですよ!」とツアー参加者に説明し、50代くらいの男性は「ふんどしのひもが切れたから押さえてたらしいんだよ」と奥さんに力説。「胃腸が弱くておなかが痛かったんじゃないか」と言う人や、「寒かったのかなぁ」という人もいる。小学生の子ども達にたずねてみると「お弁当を持っちゅうがよっ!」という答えが返ってきた。

どれも違っているかもしれないし、どれかが当たっているかもしれない。
もしかしたら何も入っていないのかもしれない・・・。

夢の中ででも、龍馬に会えたら聞いてみたい。
「龍馬さん、ホントは何が入っちゅうが??」