流木の詩 2005年12月21日

道具はノミではなくチェーンソーである。
それを「使って」ではなく「操つる」。
操って木材で作品を制作する。
題して“チェーンソー木彫り”。
山本祐市さんの本業は浦戸の漁師さんだが、時に作家となる。
先のコンクールで山本さんは全国二位の実蹟を残している。
先日お会いした際、作品に興味があるお話をしたら、10日もせぬうちに作品が届いた。
山本さんご自身が、軽四輪の後ろに積んで運んで来てくれた。
「作ってみたきに、どこか館に置いてみて」
照れくさそうに抱えてこられた。
これが不思議な作品なのだ。もちろんテーマは龍馬。胸像で、頭髪は後ろになびかせている。その背後になんと魚が跳ねあがっている。さらによくよく見れば、ちょんまげの元結より先は、鯨のしっぽに作ってある。
「わしのイメージにある、一つの龍馬の姿じゃ。この木は、浜に流れ着いた流木での、根っこのところが大きゅうて、ひき切って家に持ってきて、作ったがよ」。
流木と聞いて、もう一段想像力がかきたてられた。
流木の龍馬も面白いし、魚との繋がりも奇想天外。
くじらのしっぽのちょんまげなど、誰も思い付くまい。
ひとまず、ビデオコーナーの棚の上に置いた。
人相で見る限り中年の龍馬さん。口をへの字に結んで、無念無想である。
龍馬は思う人によってそれぞれである。その人だけのものになる。
それが人気の秘密でもある。
ちょっと、警備のSさんに横顔が似ている。