おわりのはじまり 2006年2月9日

企画展「亀山社中と海援隊」も無事終了。「あぁ、間に合った!」と終了間際にまで、近隣遠路の方がお越しくださった。関係各位、ご来館の皆様に心より御礼申しあげます。
時間が経つのは本当に早い。見慣れた企画展の様子は、新しい風景に変わった。
立ち止まって見渡すと、この数ヶ月で記念館自体の風景もずいぶん変わった。出入口の変更から始まった館の模様替えもさることながら、随所に新しい萌芽が生まれている。このコラムもそのひとつだろう。職員の関わりや主体性の変化が館外の方にも伝わっているようだ。
あるHPでは、「龍馬記念館の『海の見える窓』いつも楽しみにしています。みなさんも是非、読んでみてください。館全員の龍馬への愛を感じます。そして詩人が多い」と、この“海窓”を紹介してくれている。
詩人、か。確かに近頃の職員らの気持ちには詩人に通じるものが表れている。「龍馬の見た海」という入口の案内板もそのひとつ。
2月4日の案内板は「立春。天気快晴。眺望度100%。ウエディングドレスで駆けていきたいような水平線」。そう、この日は東京のカップル西川健さんと賀屋直子さんの結婚式。記念館2階・空白のステージで若い二人の挙式があった。
舞台俳優である彼らが初めて館にやって来たのは昨秋のこと。「私たちは龍馬のことが好きで、この記念館で結婚式を挙げたいんです」。直子さんのキラキラ光る瞳が印象的だった。あの海をバックにしたら、彼女はもっと輝いて、彼はもっと大きく見えることだろう。やっていただきたいな、と思った。
二人の熱意に打たれて開催できたのだと思う。特例である。俳優である彼らは、自分自身の人生を演出したのだ。当日の二人は、確かに水平線の彼方まで駆けていきそうな輝きだった。
ひとつ終わる毎に、新しい何かが始まる。「おわりのはじまり」。詩人の言葉だったかもしれないが、私の中に沁み込んでいる呪文である。
大気が明るくなってきた。春は近い。