龍馬に酔ってください 2006年4月19日

館の「海の見える・ぎゃらりぃ」4月、5月の展示は書道の「沢田明子と問の会」展である。さすがの存在感で、観る人を沢田明子の空間、龍馬の世界に知らず引き込んで行く。
正面に、沢田先生の、大荒れの海を描いた作品がある。波の間に見え隠れする小船一艘。手前の浜では白波が騒いでいる。全体に暗い、恐ろしげな風景だ。画面左中央に朱墨よりも赤く見える字で「飛騰 龍馬」。まさに暗い波を躍り超える龍馬の魂、火を思わせる。
その絵の隣り、これがまた面白い。体長80センチ、幅35センチの巨大ヒラメの魚拓が架かっている。荒れる海、大ヒラメの魚拓、そして、沢田先生の詠んだ句が、それぞれ門下生の感性によって表現されている。
もちろん同じ句ではない。色々の龍馬の登場というわけである。

秋雨や龍馬やみえぬものを見て
石にもたれ龍馬憩ふや月の夜
春の月誰もいなくて龍馬のみ
名月や龍馬よ酒がこぼるるよ
かえりても胸に龍馬や十一月
ひとだかりしてアイスクリン屋と龍馬像

などフムフムと一人で納得してしまう。
果てしない海、土佐の海には鯨も泳いでいるだろう。同じ海に大ヒラメもいるし、何より龍馬はもっと大きいぞ。展覧会のそれがメッセージに違いない。
県外から来た入館者である。おじさんが二人。芳名帳にサインしながらつぶやいた。
「まこと、広いのう」「おお、見事な眺めじゃのう」
「時間が足らんけん、また来にゃあ」
「あっ集合時間じゃ」