北の大地・坂本直行(3) 2006年4月27日

坂本直行は岳人である。
小学校時代に釧路から札幌に引っ越して来て登ったのは手稲山。中学校時代に登った蝦夷富士で山に魅了される。山に魅せられた少年は、北海道大学山岳部創設期からの部員として、ますます山に親しんでいく。
卒業後も山岳部先輩後輩たちとの交流は日高の原野に続き、開拓農民として生きる人生を支える。そして、山の仲間たちが岳人直行を伝説の人にまで広げていく。
直行は入植した十勝の原野と、日高の山々を愛し続けた。登山時には山の風景に圧倒されて立ち尽くすこともあったらしい。農民運動、自然保護運動に没頭した時期も長い。いつも山や自然とともに生きた直行。そして、彼のかたわらにはいつもスケッチブックがあった。

直行の肩書きは様々だ。開拓農民、農民画家、山岳画家、画伯、随筆家、等々。そして、坂本龍馬の子孫。いずれも直行であり、いずれもそうでないのかもしれない。
直行の絵を見ていると、そこにある人間のまなざしが迫ってくる。まさしく人間である。人間に肩書きがいるのだろうか。
坂本直行は、まさに清冽に生きた一人の人間である。私はそう思う。

4月25日、北海道・中札内美術村「坂本直行記念館」がオープンした。北の大地美術館が、直行生誕100年の今年だけ直行記念館にリバイバルしたのだ。11月5日まで。
わが坂本龍馬記念館にも、直行さんのコーナーが出来た。いよいよ龍馬と直行さんが出会う。
やわらかな何層もの新緑が広がり、椎の木が匂っている。土佐の初夏が始まった。

中札内美術村
http://www.rokkatei.co.jp/facilities/index2.html