一枚の絵画展 2006年5月29日

館の2階南詰め、龍馬の見た海を体感するポイント、“空白のステージ”で、一枚の絵画展を開いている。
作者は坂本直行。六花亭のお菓子の包装紙に描かれた、花の絵の作者。そして坂本龍馬の子孫。しかし、これらのことはあまり知られていない。
ご本人がしゃべりたがらず、生涯“おれはおれ”を貫いたのが強く影響している。北海道十勝の開拓農民として入植し、一方、身の回りの自然を、絵に描くことで愛した。おもねらず、媚びず、堂々と生きた。今年、生誕100年。北海道帯広の地元では顕彰の展覧会も開催中だ。
坂本龍馬記念館では、今年11月、直行さんの絵画展を、館を舞台に開催する。現在準備中である。作業過程で、坂本家ゆかりのお宅で、二点の直行作品をお借りできた。秋と初夏の日高連峰を描いた小品で、直行さんのメッセージが伝わってくるいい作品である。
眺めているうちに絵画展まで収蔵庫にしまっておくのはもったいなくなった。少しでも早く、多くの人に鑑賞してもらおうとの思いに駆られ、「一枚の絵画展」の運びとなった。
まずは初夏の、緑あふるる日高である。雪の連峰が映えている。そばに直行さんの略歴と、11月からのポスターも掲示した。
眼前に広がる水平線。横に目線を振ればみどりの日高だ。不思議に違和感がない。海に山が、山に海が溶け込んでいく。
腕組した若者が、じっと絵に見入っている。
彼はそれより先に常設展示で龍馬の手紙を読んでるはずである。
龍馬と直行、直行と龍馬。腕組解いた彼は、今度はベンチに座って目線を海に投げた。
筋状の波が寄せてきて、浜に白い飛まつを上げた。少し風あり。梅雨近しを思わせる白さであった。