龍馬の休日 2006年7月15日

梅雨空が切れた夏休み前、かっと太陽が照りつけたその日の朝である。
「どうもでーす」。カルチャーサポーターのHさんが、館の事務所の入り口に立った。
長身をぺこりと折って「ご無沙汰でーす」。
予定になかったので「何事ですか?」と聞くと、
「龍馬やりにきました」。
Hさんは熱心なサポーターである。龍馬会に所属している。龍馬ファンである。館の関連イベントには欠かせぬ人物で、特技は龍馬への変身。格好は侍姿。刀を持ち、ブーツを履く。めがねはご愛嬌だが恰幅がいいので似合っている。
「一緒に写真撮ってください」。頼まれたりもする。
九州熊本の天草と高知の梼原。海と山。音頭取りはそれぞれの龍馬会。二つの地区の子供たちの交流会が開かれた。桂浜の龍馬像前で集合した。
Hさんはその出迎え役に招集されたわけである。なぜ、館に来たかというと、“龍馬道具一式”が、事務室のロッカーに入っているからである。着物にはかま、刀・・・・。応接間に入って5分もせぬうちに龍馬登場。
「似合いますね」「へへへへ・・」
Hさんは市内に住んでいる。自宅から龍馬記念館までスクーターでやってきた。
このスクーターがいい。イタリア製、「べスパ125」。これでぴんときたなら、その方はバイクのつう?映画のつう?。さあ“つう”なら、ご存知でしょう。あの、オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック主演の映画「ローマの休日」。そしてこの映画にはもう一人、いや、もう一台主役がいました。二人の乗ったスクーターですよ。
Hさんはそのスクーターで現れたのです。
得意げにHさんのいわく「今日はまさしくリョウマの休日ぜよ」。
Hリョウマはさっそうとスクーターで、集合場所に向かいました。