いごっそうと蛙 2006年10月14日

『反骨の農民画家・坂本直行』展が開催まであと1ヶ月を切った。反骨を土佐弁にすると“いごっそう”になる。“いごっそう”という言葉には、天の邪鬼という意味なども含まれるが、土佐には昔から男女ともそういう人が多かった。今回の展示は龍馬と直行2人の“いごっそう”の展示ということになる。
少し前の話になるが、“いごっそう”で思い出すことがある。韓国人の団体を案内していた時のことだが、2階の南の端で海を眺めながら説明していると、すぐ西側の海岸線(花海道)にお墓がたくさん並んでいることについて質問を受けた。「なぜ水の近くにお墓があるのか」ということだった。これについてはよくある質問なので、歴史民俗資料館の民俗担当の方に尋ねたことがあるが、正確なことは分からない。一応2・3の憶測を話したところ、逆に韓国の話を教えていただいた。
その方は、土佐に“いごっそう”という言葉があることを知っており、韓国では“いごっそう”のような人を“蛙”というそうだ。その“蛙”の話は、むかし親の言うことに何でも反対する青年がいたそうだ。いつも反対のことをするので、親は死ぬ直前にそれを心配して、「私が死ねば川の近くにお墓を建ててくれ」と頼んだそうだ。本当は水辺にお墓を建てられたくなかったためにそう言ったのだが、青年は、親が死んだ後、今までのことを非常に悔いて、言いつけ通り川の近くにお墓を建て、案の定、洪水の時にお墓が流されたそうだ。こうして青年は雨が降るたびに蛙のように泣いて暮らしたそうで、人の反対のことばかりする人のことを、“蛙”というそうである。
となると、直行展は2人の“蛙”の展示ということか・・・?いや、それは少し意味が違うか。