北の大地・坂本直行(11) 2006年10月25日

北海道から直行さんの資料が届き始めた。協力者の皆様からの善意の数々である。
第一便で届いたのは、直行さんの絵葉書の額など30点余り。多くは花々や山岳の絵葉書で、美しくレイアウトされている。児童詩誌『サイロ』創刊号から100号までもある。初期の頃の『サイロ』は今や発行者の六花亭でも貴重なものになっているらしい。送り主の上田良吉さんはカルチャー教室で植物画を教えながら、直行さんの資料収集や展示をしている帯広在住の直行研究家。
第二便も楽しい。北大山岳部、秀岳荘、高澤光雄さんらから合同で届いた山の便り。荷物にはアイゼン、ピッケル、ザック、スキー板はじめ登山グッズの数々が入っている。『開墾の記』『ヌタック』(札幌第二中山の会)などの初版本や、「手にとってさ、みんなに見て読んでもらわないとさぁ」と高澤さん言うところの“閲覧用”直行さん書籍。今年、北海道大学総合博物館で同大山岳部OBらによる『北大の山小屋』展で展示されたパネルもある。
昭和30年(1955)『金井テント』創業者の金井五郎さんは、トラックのシートや日よけシートなどの製造販売を始めた。翌年、北大山岳部が日高山脈全山縦走を行った際に装備を担当し、昭和32年には直行さんによって『秀岳荘』と名づけられた。秀岳荘は北大山岳部とともにあり、今や北海道では有数の登山用具専門店である。昨年、創業50周年記念に出版された『山の仲間と50年』は北海道、いや日本の登山史の1ページになっているといってもいいだろう。
高澤さんは直行さんとも親しく、今は秀岳荘に本部を置く日本山岳会北海道支部・副支部長などしている。荷物の向こうに多くの笑顔が見える。山男たちのエールは力強い。
月末、いよいよ直行さんの絵画や資料を借り受けに北海道に出かける。初めて海を渡って直行さんが帰って来る。
北の大地が今とても熱い。

秀岳荘のホームページ https://www.shugakuso.com/