月琴の魅力 PartⅡ 2007年2月10日

月琴。「げっきん」と呼ぶ響きがいい。
「月」だから、白昼は似合わぬ。
満月の夜もよかろう。もっと黄昏どきの方がいいかも知れない。
いや、いっそ、そぼ降る雨の夜は?
先日、坂本龍馬記念館で新年コンサートを計画した。
題して「“オカリナと月琴・出会いのデュエット“」
オカリナは本谷美加子さん、月琴は、ハープ奏者の大村典子さん。
本来お二人の関係は本谷さんがメインで、大村さんが伴奏役である。
たまたまの行きがかりで、大村さんが館所蔵の月琴を弾くことになった。
館の月琴は、幕末の頃のものといわれる。
展示してあるが、もちろん弾いた記録もない。
別の企画展で、月琴の展示場所がふさがり、点検したところ乾燥によるひび割れなどが見つかった。
修理できたら当然音が聞きたくなった。1月28日はそれでなくてもオカリナコンサートは準備していたので、大村さんに月琴を渡したという次第。
大村さんも初めての経験。それでも2ヶ月ほどみっちり練習していただいた。

当日。会場は160人満席であった。
本谷さんのオカリナに酔いしれた前半、突然、オカリナが月琴に代わった。
大村さんが月琴を抱えていた。
「ぽろん、ぽろん」と幕末が弾き出された。
誰もがぐっと身を乗り出した気配が伝わってきた。
脳裏に、退廃と希望、殺戮と一時の平和が一つになって醸し出す幕末の場面が浮かんだ。
龍馬のために、お龍が奏でるのはこんな風ではなかったかと想像した。
聞きながら龍馬は何を考えたのだろう。二人だけの世界。
黄昏の陽の射す座敷に手すりの陰が落ちている。
横になった龍馬は、目をつぶっている。軽い寝息が漏れた。
「ポロン、ぽろん・・」。
お龍は、もう少し弾いていようと思った。
今年名月の頃、もう一度コンサートを開く。心に決めた。