独り言Ⅳ 2007年6月22日

ある番組で飛び出す絵本の珍しいものを紹介していた。
1つ目は“不思議の国のアリス”だ。1ページ1ページ、ページをめっくた瞬間に、アリスと背景が、勢いよくポップに平面から現れる。まさにワンダーランド!
2つ目は東京写真美術館に収蔵されている約160年前のもの。大英博覧会の様子を描いた10枚のイラストがじゃばらに折りたたまれており、それを広げて手前の丸い穴から覗いて見るとそこはもう博覧会!思わず心が踊ってしまう。160年前と言えば龍馬も生きた時代である。
3つ目は絵本を開いても何も飛び出さない。そのまま見ても良くわからない。この絵本を見るためには装具を通して見るのである。目に付けて絵本を再び眺めると、そこには3次元が動いている。絵本のタイトルははっきりと覚えていないけれど、まさに仮想空間の世界である。

3種類の絵本にはそれぞれの時代性と特徴が顕著に表れていると思う。私たちのまわりにも、生まれては無くなりもてはやされては忘れ去られるものが数限りなくある。街の風景でさえも2~3年サイクルでどんどん変化して行く。昨日まで見かけた街の店舗や建築物が、ある日突然消えて無くなっている。すでに新しい建物が建っていようものなら以前何がそこにあったかさえも思い出せない。

瞬間瞬間が過去になって行く私たちの日常生活の中で、人々の心に本当に残るものとはいったいどんなものなのであろう?すぐに消えて無くなるのではなく、時代を超えて現代から未来へ残るもの。少なくとも私はそういったものを探求したい。

「・・・天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、その使命がおわったとき惜しげもなく天へ召しかえした。
・・・時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、そして未来へ押しあけた。」
司馬遼太郎氏『竜馬がゆく』の最後の言葉である。