近江屋 2007年8月4日

8畳の間である。正面にお床。
お床の前には長火鉢、横に行灯。
お床には掛軸が架かっている。
部屋の隅に金色で大型の屏風。
二階の端部屋なので天井が軒方向に傾斜している。したがって天井が低い。

三館(歴史民俗資料館、坂本龍馬記念館、中岡慎太郎館)合同企画展、-暗殺140年・時代が求めた“命”か-「坂本龍馬・中岡慎太郎」展が開催して1週間。多くの皆さんにご覧頂いている。貴重な資料と共に、「近江屋」の原寸大のセットを、歴民の2階エントランスに置いた。歴史の動いた部屋の雰囲気を、感じてもらおうとの試みである。

午後10時ごろだったという。
龍馬と慎太郎が火鉢に向き合って話し込んでいた。
「倒幕」。新しい日本をめざす目標は二人は同じであった。ただ、方法が違った。武力倒幕を主張する慎太郎、平和的に会話で成そうとする龍馬。同じ土佐人、勤王党員。議論に熱が入っていたろう。暗殺者が階段で龍馬の身の回りを世話していた少年、峯吉を切った騒ぎで、物音が起きた。「ほたえな!」その物音に龍馬の声が応じた。「ほたえな」は普通、大人が子供を叱るというより揶揄する言葉である。だから、そこに殺気を感じた危機感はない。同時に躍りこんできた暗殺者は二人を切った。暗殺者は誰だったのか?分からない。
ただ、この事件で歴史の歯車がゴロリと回ったのは事実である。

二人の学芸員が、実演して見せた。
「ここに龍馬が。慎太郎はここに」
「掛軸のこの血痕は龍馬でしょう」
聞いているうちに鳥肌が立っていた。
その「近江屋」が、9月以降、龍馬記念館に備えられる。