異次元の世界 2007年9月10日

現代洋画家 武内光仁氏の作品といえば「大作だろう」がまず口に出る。小さなギャラリーでは展示スペースが間に合わない。「大丈夫?その辺を考慮して展示してくださいよ」。そう注文をつけて、館の“海の見える・ぎゃらりい”での展覧会をお願いした。「問題ない」という武内さんの言葉を信用して。
ところがどうだ。展示の日、館の横にはびしっとトラックが横付けになった。作業員がばらばらっと降りてきた。奥さん御本人も加えると5人である。「それでは飾り付けを始めます」。そして合図で取り出した工具類の物々しさは、半端ではなかった。
肝心の絵は4点。それだけ。入り口の小品を除くと3点は大作である。一番大きい一点にこんな注釈が付いていた。“本来13メートルある内の一部です”。巨大な指である。大きな指先がなにやらボタンを押している。もつれるように広がっているのは巨大フィルム?だとすると、ボタンを押し間違ってバラけたフィルムか? 展示されているのは手首の部分で、しかも展示場のコーナーで直角に曲がっているから、直線に伸ばすと、見事だろう。それが見たくなった。絵はブロックに分かれていて、ごついボルトで繋いでいる。
何とも言えない存在感である。色彩の鮮やかさにもたじたじだ。まるで色の壷に投げ込まれたかのような錯覚に捕らわれる。身体も心も色に染まる。
題は「HUMAN LIFE」。難しいゾ! この展覧会の総合テーマは「龍馬さん 土佐乃国→混迷する世界へ」-今、今だから、今こそ、今展-。 異次元の別世界へ連れ込まれた。まさに 武内さんの空間。
そういえば、龍馬は「土佐にはあだたん男」であった。武内さんと龍馬。共通点があるような気がしないではない。