樋口真吉展始まる 2007年10月6日

“歴史街道”を歩いていると、思わぬ人物に出会ったりする。
声をかけて、ちょっと話したのがきっかけで、生涯の友になったりもする。
樋口真吉さん(1815~70)がそうである。
「えっ知らない?やっぱり。ちょうど、真吉展を始めました。ご覧になってください。真吉と龍馬の関係を通じて、幕末が見えてきます」。

詳しくは-龍馬を見抜いていた男-「樋口真吉展」12月16日まで。
第一会場(B2)でいきなり見せます。真吉の剣豪としての一面です。独特の剣さばきを支えた、独特の長い刀。肉厚の先細、無反り、一見槍である。作は名刀工「左行秀(さのゆきひで)」。刀剣ファンなら見逃せない名刀という。朝に晩にこれを鑑賞している。まこと、美しくて、柔らかくて、それでいて毅然としている。吸い込まれそうな魅力とはこのことを言うのだろう。これを腰に帯びていた「樋口真吉」という武士を想う。

二階会場は、20センチほどの人形になった真吉と、和紙に焼付けられた等身大の真吉が待っている。中心になるのは、真吉が残した日記「遣倦録(けんけんろく)」だ。小さなノートだ。だがそこに真吉が龍馬に寄せる深い思いが一言で残されている。「坂竜飛騰(ばんりゅうひとう)」。“龍馬がいよいよ、新しい日本国を創り出すために、動き出したぜよ”そんな思いが込められている。先に書かれた字の上に黒々と重ね書きしている。真吉の確信に満ちた気持ちの高ぶりを、太字の迫力に感じるのだ。
龍馬と真吉には20歳の年の差がある。若い龍馬と年上の真吉が“幕末街道”を駆け抜けた。砂塵を巻き上げて。
ご鑑賞下さい。