讃える 2008年2月5日

「世界観をひろげれば、人生に対する理解も深まります。
…試みようとしているのは、新しい文化の種を植えつけて、世界中の伝統と音楽の声を讃えることです。」
世界的チェロ奏者ヨーヨー・マの、ジャパンツアーのリーフレット。
彼のコメントの最後、「讃える」という言葉に目がとまる。
讃える、称える=ほめる=物事を良しと認め、その気持ちを表す。
称えると言えば、健闘を称え合う、業績を称える、などとよく耳にする。
でももっと何気ない日常的な人間関係の中でも、「讃える」ことはとても大切であるように思う。
人からほめられたり認められるのは嬉しいし、自信がつき力も湧く。
そのことで相手への信頼が生まれ、よりよい結果につながる。
さりげなく添えられたこの言葉は、
心豊かに生きていくための大事なキーワードのひとつなのかもしれない。

龍馬にはその天性が備わっていたに違いない。
そうでなければ、身分の高い人達や才能に秀でた人達からの惜しみない協力など得られなかっただろう。
日本を変えた大仕事も、ひとりの力だけで成し得たのではない。
人を讃え大切にできる、そのことが龍馬の人間としての評価につながり、人の心を動かしたのではないだろうか。
不可能と思われたことも龍馬だからこそ実現した。

開催中の幕末写真館展では、そんな人々の顔ぶれを見ることができる。
150年の時を経て、生きて出会うはずの無い人に、写真を見ればどこかで会ったかのような、
手紙を読めば心情を語られているような、そんな不思議な感覚にふととらわれる。
それぞれの志を持つ仲間同士、認め合い、信頼し合って生きた彼らの姿が、
「讃える」ことの良さも思い出させてくれるかもしれない。