花に思う 2008年3月16日

日々春めく景色に心浮きたつ3月。
館駐車場の早咲きの桜はもう満開。ふくよかなピンクの花に思わず手を添えるとほっと心も和む。花咲く春の到来。
花といえば、冬の間も館内でひそかな人気を集めたのが、鉢植えの土佐寒蘭。香りをかいでみる人もいるほどだが実は和紙でできていて、人間国宝の方が漉かれた土佐和紙を使い、土佐和紙工芸作家の伊与田節子さんが紙に命を吹き込むように制作されたもの。
龍馬にはさほど興味なく退屈そうに館内を巡るお客様でも、この土佐寒蘭の前では必ずといっていいほど足を止め、とても熱心に鑑賞していかれる。これにはさすがの龍馬も形無し。
花の美しさはどんな人の心をも動かし、引きつけて止まない。
龍馬の甥の孫、坂本直行さんが愛し描き続けた、厳しい北の大地に咲く花々。昨年その絵画の企画展に例年に増して多くの方々が足を運んでくださったことも思い出される。
龍馬もある花の印象を姉乙女への手紙に綴っている。
最愛の女性お龍さんを伴って旅した、鹿児島の霧島山。そこに「オビタゞシク」(「」内は龍馬の文面。)咲いていた霧島つつじ。「なる程きり島つゝじが一面にはへて実つくり立し如くきれいなり」。二人仲良く「はるバるのぼり」、お龍さんの手を引き、山上で大いに笑い合った。かけがえない大切な人との思い出にそっと寄り添う花。
後年お龍さんが龍馬を偲ぶ時、龍馬の面影とともにこの霧島つつじの記憶がよみがえったかもしれない。
人それぞれ、様々に花を思う。
花々がもたらしてくれる喜びを感じながら春を満喫しよう。