独り言XⅡ 2008年4月13日

記念館周辺の桜はほとんど葉桜になっている。桜を楽しめるのはほんの一瞬で、その短命さがまた美しい。
記念館では現在2階企画展示コーナーで「刀は“語る”坂本龍馬記念館所蔵品」展を開催している。展示ケースには刀が並び、その後方に慎太郎、半平太、龍馬を描いた公文菊僊の掛軸がかかっている。
朝、ケースを見ると描かれた慎太郎の立像に桜の枝が寄り添っていた。まるで掛軸に描かれているかのようにバランスよく桜が収まっていた。ガラスに映り込んだ桜の樹である。
私はそれを見た時、以前観た舞台とドラマの一場面を思い出した。満開の大きな1本の夜桜にライトが当たり、地面には花びらが幾重にもなって落ちて行く。「その桜の樹の下には短い命を惜しげもなく散らしていった人々の魂が眠っている。」と言ったナレーションが入った。あまりにも昔で記憶が定かではないが、そういった内容だったことは覚えている。ライトアップされた花の異常な赤さが印象的に蘇る。
まさに、幕末の志士たちとシチュエーションが重なった。映り込んだ桜が描いた偶然の掛軸。その全ての一致が胸を熱くした。
桜には特別な想いがある。その潔く限られた時を大切にしたいと思う。