独り言XⅢ 2008年6月9日

 今、開催中の「出会いの達人・龍馬」展にアクセントをつけるねらいで、館の2階スペースを使って「もう一つの展覧会」展というのを始めた。展覧会に重ねての展覧会だ。これは以前、館のギャラリーで企画展をお願いしたアーティストの先生方に“出会い“をテーマに新たに作品を制作して頂き、その作品を常設展示空間に置こうという試みである。
各先生方のメッセージパネルを作るために、制作現場をのぞかせていただき、写真を撮った。書の先生宅では部屋に入るなり、すりだちの墨の香りに足が止まった。精神的にとても落ち着く筋の通った芳香であった。そこから生まれた作品は、非常に勢いよく大胆で、男性的に思えた。次は洋画の先生のアトリエ。油と絵の具の匂いがプーンとして、自由に動く筆のタッチに懐かしさを覚えた。

作曲をお願いしてあった先生からは“風になった龍馬”というタイトルの楽譜が届いた。ト長調のメロディーだけがModeratoでと記されている。早速ピアノで弾いてみた。生まれたての音符たちから聞こえてくる主旋律は、優しく、柔らかく頬を爽やかに撫でてゆく風のような龍馬だった。

作家の制作現場を拝見出来るというのは、特別な空間の貴重なエネルギーを感じ取れる、私にとってはわくわくさせられる場所で、かつて舞台装置を制作した時と同じ感情である。そのエネルギーの集結が一枚のパネルになる。龍馬が引き合わせたアーティストの面々、皆さんそれぞれになんとも魅力的なお顔をされていると思うのです。会場でお楽しみください。