鳩がとまった 2008年10月6日

10月の声を聞いて雨になった。
最初の土、日が雨。
季節はどうも一挙に秋を深める魂胆らしい。
煙る雨をついてその日曜日。
県知事と高知市長を先頭に観光行政に関わるお歴歴が桂浜にやって来た。
しかも浦戸湾を船で渡って、桂浜に上陸である。
実は、再来年のNHK大河ドラマが“龍馬伝”に決まったのはご承知のとおり。
これを県勢浮揚のきっかけにしよう、というのは日本国中同じ事だが、
しかし高知はやはり本家。
本家の中でも本家は銅像の立つ桂浜である。
必勝を期して銅像前の祈願祭となったわけだ。
「雨でも龍馬はやっぱりかっこいい」「世界を見ゆうぜよ」
一同、龍馬像の前に勢ぞろい。宮司さんの祝詞に頭を下げ、思いを込めた。

ふと、龍馬を見上げた。
眼鏡にかかった雨粒のせいか全体にぼやけ気味。
龍馬の頭頂部が少し変に見えた。
ちょんまげが前方にせり出してきた格好。
しかもそれがぴこぴこ動いた。
目を凝らす。13メートルの上空でやっと焦点を合わせた。
鳩ではないか。鳩が止まって下界を見下ろしている。そうだ、鳩は平和の使者。
龍馬のオーラが呼んだに違いない。
全員の玉ぐし奉奠が終わるのを待って、鳩は雨空に消えて行った。
眼鏡の雨粒をハンカチで拭った。
龍馬がまた幸せを運んできてくれるそんな気がした。