チーズ 2005年10月16日

種崎側から桂浜側に「浦戸大橋」を車で上がる。
結構、角度のある坂になっている。弾みをつけて駆け上がる際にはいいが、スピードが落ちるとギアのダウンが必要になる。
前を車が走ると、坂がきついので、前方の視界は完全にさえぎられる。金魚のふん状態で、連なるわけだ。
それが、橋の頂点に行きつくと同時に、一気に視界が開ける。
突然、大自然のパノラマに放り出されたかのごとき錯覚を覚える。その開放感。
目線に海。晴れていようが、雨だろうが、台風でもすごい。
海と空を二分する青い帯び。くっきりの時もあれば、ぼやけている時、海、空溶け込んで不明の時もある。
好い、悪いはない。いつでも好いのである。
今度は坂を下って行く。水平線はさらに長くなる。左カーブを切ると、晴れの日の東の海はきらきら光っている。ひとりでに深呼吸である。
これが私の通勤路。まさに宝。一人占めの宝である。
先日、高知で「第17回全国龍馬ファンの集い」が開かれた。
参加するために来高した埼玉龍馬会のAさんが、龍馬記念館の屋上に上がってこう言った。
「素晴らしい。この海。この水平線。まさしく龍馬の海ですねえ。こんなところが職場でうらやましいですなあ」
腕いっぱい広げて、海を抱きしめた。
同じ日、海をバックにセルフタイマーで自分の写真を熱心に写しているお年寄りがいた。
見ていると、「二人で写しましょう」と頼まれ、カメラの前に立った。
じいさんの右手が腰の当たりに巻かれたのにはちょっとびっくりだったが、吹きぬける風が心地いいので、じいさんの口調に合わせて「チーズ」と言った。