企画展
Exhibition

「錦絵にみる幕末維新-絵師と庶民の徳川幕府-」展

終了しました

「錦絵にみる幕末維新-絵師と庶民の徳川幕府-」展

幕末の錦絵はまさしく、絵師からの挑戦状

 江戸時代の錦絵は、多色刷りの木版画。娯楽作品や事件速報の画版、世相の風刺画として親しまれました。絵師は実に巧みに風刺をきかせています。

本展では、まず浮世絵や錦絵を概観した後、錦絵や瓦版、武鑑など幕末のメディアの多様性、歌川国芳より以後のウィットに富んだ諷刺錦絵の発達や、明治初期から激動の幕末期を回顧する錦絵などの四章立てて構成していきます。

第1章 錦絵総覧-浮世絵ってどんなもの?

 浮世絵版画の歴史は墨一色の墨摺りからはじまり、丹絵、紅絵、漆絵と移り変わっていく。本章では、多様な錦絵を用いながらその特徴を紹介する。

◆展示資料内唯一の歌川国芳作品「浮世又平名画奇特」(個人蔵)

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第2章 情報収集-幕末のメディアは多種多様

 江戸時代、人々が情報を得た媒体には、瓦版をはじめ様々なものが存在しました。本章では、瓦版にとどまらず、情報媒体として取り扱われたものを一つ一つ掘り下げて紹介します。

◆慶喜追討につき論告板(高知県立歴史民俗資料館蔵)

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◆年間の出来事が錦絵に描かれる「世之中安政世間噂」(個人蔵)

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第3章 諷刺錦絵-錦絵から幕末の政情を紐解く

 諷刺錦絵とは、批判的精神をもって人々に世情を伝える錦絵のことであり、歌川国芳以降、多くの絵師により様々な工夫で風刺が凝らされました。本章では、絵師と庶民の視点から、特に戊辰戦争期の作品群を中心に紹介します。

◆まじないをかける天璋院と和宮「当世長っ尻な客しん」(個人蔵)

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◆描かれたのは徳川慶喜の姿「魁題百撰相 足利義輝」(個人蔵)

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第4章 幕末回顧-明治期の錦絵は幕末をこう捉えた

 激動の時代・幕末が終焉を迎え、新政府による支配のもとに新たな世が到来しました。江戸後期以降から戊辰戦争期に至るまで、情報メディア的側面と併せて風刺的側面をも持ち合わせ、庶民の関心を度々集めてきた錦絵は、その意味合いや需要のされ方を変化させていきます。本章では、明治時代以降に制作された錦絵から、絵師と庶民が見た幕末の世を紹介します。

◆「近世人物誌江川太郎左ヱ門」(当館所蔵)

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関連イベント

■記念講演会「戊辰戦争と情報社会」

講師:大石学(東京学芸大学名誉教授)
日時:3月16日(土)13時半~15時 ※チラシに記載の日時から変更となりました。
会場:高知県立坂本龍馬記念館 新館1階ホール
申込:2月1日(木)9時~受付開始。電話・FAX・メール・HPお問い合わせフォームよりお申込みください。
定員:70名(先着順)

■学芸員による展示解説

①2月10日(土)11時~
②3月9日(土)11時~
③3月16日(土)11時~
※各回30分程度。お申込み不要、直接企画展示室へお越しください。