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3館連携特別展 生誕200年 河田小龍 -龍馬に世界を教えた男-

次回開催

3館連携特別展 生誕200年 河田小龍 -龍馬に世界を教えた男-

幕末維新期を代表する土佐の絵師、河田小龍(かわた しょうりょう)の生誕200年を記念して、小龍を中心に幕末から明治前期にかけての激動の時代を振り返る展覧会を、高知県文化財団に所属する3つのミュージアム(高知県立坂本龍馬記念館、高知県立歴史民俗資料館、高知県立美術館)で開催します。坂本龍馬、歴史民俗、美術の3つの専門性を持つミュージアムが、それぞれの特性を生かして連携し、激動期をマルチな才能をもって生き抜いた小龍の多様な活躍を紹介するまたとない機会です。

龍馬に世界を教えた男・河田小龍

小龍の最も有名な業績のひとつが、アメリカから帰国したジョン万次郎の聞き取りをまとめた『漂巽紀略』です。坂本龍馬は海外事情にも明るい小龍を訪ね、これからの日本のありようを問いました。小龍から助言を受けた龍馬は、海外への関心を深め、やがて海援隊を設立します。ジョン万の海外体験は、小龍を通じて龍馬に影響を与えたとも言えるでしょう。坂本龍馬記念館では、『漂巽紀略』をはじめとする資料によって土佐藩随一の教養人でもあった小龍の功績をご紹介します。

河田小龍 文政7年~明治31年 (18241898

高知城下浦戸町(現・高知市南はりまや町)生まれ。絵にも学問にも素質があった小龍は、土佐で南画家、島本蘭渓(しまもとらんけい)に師事したのち、京都に出て狩野永岳に狩野派を、中林竹洞に南画を学んだほか、儒学を土佐の岡本寧浦(おかもとねいほ)、奥宮慥斎(おくのみやぞうさい)らに学びました。アメリカから帰国した中浜万次郎(ジョン万次郎)の聞き取りを行い、絵入りの記録『漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)』を記したことでも知られています。土佐の町絵師、絵金とは師弟に近い関係にあり、絵金が大成した芝居絵屏風を小龍も手掛けました。幕末期には国事に奔走し、明治に入ってからは官吏として書記掛、内国博覧会事務掛などの仕事を歴任。晩年は京都に移住し、京都府知事、北垣国道の依頼を受けて琵琶湖疏水工事の過程を記録した図誌『琵琶湖疏水図誌』を制作しました。また九州の名勝・耶馬渓(やばけい)を妻の照(てる)とともに旅し、その風景を集成した『客豊図志』を描き上げ、広島では日清戦争の大本営で明治天皇の御前で揮毫を行うなど、晩年まで精力的に活躍。端正で着実な筆致による人物画や、鋭い観察眼に基づく数々の作品やスケッチで知られるほか、襖絵や絵馬などの人々の生活とかかわる絵画も多数手がけました。後進の育成にも尽力し、高知、京都、広島で近代美術の担い手を育てました。

主な展示資料(坂本龍馬記念館)

当館での展示点数:約50点(一部展示替を行います)

◆『漂巽紀略』大津本

漂巽記畧 大津本 巻1-002_五右衛門・万次郎_HP用.JPG

◆「琵琶湖疏水鳥瞰図」(琵琶湖疎水記念館所蔵)

琵琶湖疏水鳥瞰図(田邉家資料)_HP用.jpg

3館連携スタンプラリー

高知を拠点に、イラストレーター・絵本作家として活躍する柴田ケイコさんに、河田小龍のイラスト「しょうりょうさん」を描きおろしていただきました。3館すべての小龍展を巡ると、「しょうりょうさん」の特製ステッカーをプレゼントするスタンプラリーを開催いたします。

◆「しょうりょうさん」©柴田ケイコ

小龍さん0910.jpg

連携館の情報

高知県立歴史民俗資料館 『生誕200年 河田小龍-土佐の人々とのつながり-』

会期:令和6年11月1日(金)~令和7年1月5日(日)*休館日:12月27日~1月1日

展示点数:約25

高知県立美術館 『生誕200年 河田小龍-激動期への眼差し-』

会期:令和6年11月09日(土)~令和7年1月5日(日)*休館日:12月27日~1月1日

展示点数:約130

※詳細は各館のHPをご確認ください。

関連イベント

[3館連携特別企画]記念講演会 「舞台は回る、激動の時代の美術(仮題)」

開国か攘夷か?維新か復古か?新国家をめざし龍馬らが奔走し、小龍が活躍した時代は、美術にとっても「激動」の時代でした。幕末から維新期に、何か舞台から退き、何が新たに登場したのか、文化の諸相についてお話いただきます。

講師:木下直之 氏(静岡県立美術館 館長)
日程:12月7日(土)13:30~15:00頃
会場:高知県立坂本龍馬記念館 新館1階ホール
定員:50名(先着順)聴講無料
申込:11月1日(金)より受付を開始します。県立坂本龍馬記念館まで電話(088-841-0001)、メール(ryoma@ryoma-kinenkan.jp)、FAX(088-841-0015)でお申込みください。

学芸員の解説付きでめぐる!小龍ゆかりの地バスツアー

小龍の作品は、身近なところにも数多く伝わっています。学芸員の解説付きで、地域に伝わる小龍作品や小龍ゆかりの地をめぐります。

◆日程:12月1日(日)—土佐市絵馬&津野町襖絵バスツアー

龍馬記念館集合 8:30▶土佐市・松尾八幡宮、三島神社▶須崎(昼食)▶津野町・津野町郷土資料館▶歴史民俗資料館・龍馬記念館「河田小龍展」▶17:00頃解散(予定)
*参加申込等の詳細は、当館HPにて近日公開予定です。

ウォーキングイベント史跡巡り「小龍ゆかりの町歩き」

◆日時:12月8日(日)9:00~12:00頃(予定)

小龍は、現在のはりまや橋のバスターミナル近くに生まれました。はりまや橋周辺を歩いて巡り、小龍が生きた時代に思いをはせます。(約4kmをゆっくりと歩きます。)
*参加申込等の詳細は、当館HPにて近日公開予定です。

学芸員による展示解説

いずれも参加無料・要観覧券・予約不要。当日直接、各小龍展会場にお越しください。

◆3館の担当学芸員によるスペシャルトーク(合同展示解説)
日時:11月9日(土)14:00~15:00
会場:高知県立美術館 2階 小龍展会場
※会場は当館ではありませんので、ご注意ください。

◆坂本龍馬記念館 展示解説
日時:11月16日(土)、12月14日(土)各日14:00~
会場:高知県立坂本龍馬記念館 新館2階 企画展示室

◆クロストーク
日時:11月17日(日)14:00~15:00頃
会場:高知県立坂本龍馬記念館 新館1階シアターコーナー
講師:上本竹永 氏(高知県漢詩連盟会長)、担当学芸員
小龍の作品や日記には自作の漢詩がしばしば記されています。絵画だけでなく、文学にも強い関心を持っていた、小龍というマルチ画人の魅力をお伝えします。
*当日会場に直接お越しください(参加無料・要入館券・事前申込不要)
*オンラインでのライブ配信も行う予定です(詳細は当館HPにて近日公開予定です。アーカイブ配信は行いません。)